こんにちは、リキリツです。
今回はエネルギー管理士という資格を受験する前に知っておいた方が良い基本情報について、書かせていただきます。
というのも私自身、2020年度にエネルギー管理士を受験したのですが、受験前の資格についての調査で情報量が多く、どこを見ればよいかかなり迷ったことがありました。
初めてエネルギー管理士を受験する方のために、これだけ知っておけば大丈夫と思われる情報を抜粋してまとめてみました。
エネルギー管理士という資格に興味のある方に参考にしていただければと思います。
※今回の記事は2023年1月22日に調査したものです。詳細情報は一般財団法人 省エネルギーセンターのホームページをご確認いただくようお願い致します。
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(関連リンク)
1. エネルギー管理士という資格について
「エネルギー管理士」という資格は、「エネルギーの使用の合理化などに関する法律」(省エネ法)に基づいて、規定以上のエネルギーを使用する工場などに選任が必要となる「エネルギー管理者」が交付を受ける必要がある国家資格です。
2. 免状を取得する手段
免状を取得するには以下の2通りの手段があります。
①国家試験への合格+1年間の実務経験
②実務経験3年以上+認定研修の修了
1つ目は、「エネルギー管理士」の国家試験に合格し、合格通知と1年以上の実務従事証明書を経済産業大臣に提出し免状を申請するという方法です。
国家試験には受験資格がないので、誰でも受験することが可能です。
1年以上の実務経験は、試験合格前でも合格後でもどちらでも構いません。
2つ目の方法は、3年以上の実務経験を積んだ後、7日間の認定研修を受講し、修了するという方法です。
2つ目の方法では、3年間の実務経験は認定研修前である必要があります。
また、認定研修後には修了試験があり合格する必要があります。
3. 試験場所と試験日程
ここからは「エネルギー管理士試験」についての詳細を説明させていただきます。
3-1. 試験場所
試験地について、昨年度(2022年度)は以下の全国10箇所で実施されました。
なお試験会場は試験地により複数会場になりますが、選択はできません。
※詳細は省エネルギーセンターから毎年4月ごろに発表される、最新版の受験案内をご確認ください。
①北海道
②宮城県
③東京都
④愛知県
⑤富山県
⑥大阪府
⑦広島県
⑧高知県
⑨福岡県
⑩沖縄県
3-2. 試験日程
エネルギー管理士試験は1年に1回実施されています。
※詳細は省エネルギーセンターから毎年4月ごろに発表される、最新版の受験案内をご確認ください。
受験申込時期 | 5月上旬~6月上旬 |
受験票到着 | 7月中旬 |
受験票未到着問合せ期間 | 7月下旬 |
試験日 | 7月下旬~8月上旬の日曜日 |
合否通知 | 9月中旬 |
なお直近過去5年の試験日は以下の通りです。
2022年 | 7月31日(日) |
2021年 | 8月8日(日) |
2020年 | 8月30日(日) |
2019年 | 8月4日(日) |
2018年 | 8月5日(日) |
※2020年はコロナ感染拡大の影響により、受験日程を遅らせて実施されました。
4. 申込方法と受験手数料
試験の申込方法は、以下の2通りです。
①受験願書を提出する方法
②インターネットから申請する方法
1つ目の受験願書による方法は、受験願書を省エネルギーセンターに問合せをし入手した後、必要事項を記入して郵便局から受験手数料を振込む必要があるので、手間がかかります。
2つ目のインターネットから申請する方法は、願書の入手が不要で受験手数料の支払い方法も「銀行口座振込」、「クレジットカード決済」、「ネットバンク決済」、「コンビニ支払い」から選択できるので、手間が少なくてすみます。
受験手数料は17,000円(非課税)です。
なお支払い方法により別途手数料が必要となります。
5. 試験の概要
5-1. 受験資格
受験資格はありません。誰でも受験することが可能です。
5-2. 試験分野・課目・試験時間・合格基準
試験分野は「電気分野」か「熱分野」を選択して受験することができます。
各分野の受験課目・試験時間・合格基準は以下表のとおりです。
時限 | 試験時間 | 電気分野課目 | 熱分野課目 | 合格基準 |
---|---|---|---|---|
1時限目 | 9:00~9:20(80分) | I.エネルギー総合管理及び法規 | 60%以上 | |
2時限目 | 10:50~12:40(110分) | Ⅲ.電気設備及び機器 | Ⅱ.熱と流体の流れの基礎 | 60%以上 |
3時限目 | 14:00~15:50(110分) | Ⅳ.電力応用 | Ⅳ.熱利用設備及びその管理 | 60%以上 |
4時限目 | 16:20~17:40(80分) | Ⅱ.電気の基礎 | Ⅲ.燃料と燃焼 | 60%以上 |
※各課目の前のⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳは課目番号です。試験時限と課目番号は異なるので注意が必要です。
※課目Ⅰは電気分野・熱分野で共通です。
5-3. 試験課目の免除制度
エネルギー管理士試験には「試験課目の免除制度」が導入されています。
「試験課目の免除制度」とは、4課目を全て同時に合格できなくても、一部の課目に合格できれば課目合格者となり、3年以内に同一選択分野を受験する場合、合格課目が3年間免除される制度です。
つまり3年以内に同一選択分野で4課目を合格すれば、試験合格者と判定されます。
電験三種でも同様の制度が採用されているので、イメージしやすいと思われます。
電験三種と異なるのは、エネルギー管理士では「電気分野」か「熱分野」のどちらか4課目を合格すればよいというところです。
5-4. 試験方式
試験方式はマークシート方式による筆記試験です。
エネルギー管理士試験のマークシート方式は、計算問題において次のような特徴があります。
(例)計算問題で解答欄に「a.bc×10d」という表示が与えられた場合
計算結果が(例)123456 になったとすると
→計算結果を解答欄に合うように表示する。(解答欄以下の桁は四捨五入)
(例)123456→ 「1.23×105」
→マークシートを、a→1、b→2、c→3、d→5 と塗りつぶす。
なお文章問題のマークシートは、文章の空白に当てはまる言葉を解答群の中から選択する一般的な方式です。
5-5. 試験中に使用できるもの
試験中に机の上に出してよいものは以下のとおりです。
- 鉛筆又はシャープペンシル(HB)
- 鉛筆削り又は替え芯
- プラスチック消しゴム
- 受験票(写真の貼り付け必須)
- 電卓(関数電卓不可)
- 時計(時計機能だけのもの)
- 眼鏡・拡大鏡(ルーペ)
6. 合格率
直近5年のエネルギー管理士試験の電気分野及び熱分野の合格率は以下の表のようになります。
(合格率の高い方を赤字で表示しております。)
年度 | 電気分野 | 熱分野 | 電気・熱合算 |
---|---|---|---|
2022年 | 29.9% | 36.2% | 33.9% |
2021年 | 33.5% | 31.1% | 31.9% |
2020年 | 35.6% | 37.8% | 36.7% |
2019年 | 19.8% | 40.8% | 32.6% |
2018年 | 26.4% | 29.2% | 27.9% |
電気分野の合格率:19.8%~35.6%
熱分野の合格率 :29.2%~40.8%
となっており、熱分野の方がどちらかといえば合格しやすいようです。
7. 通信講座リンク
エネルギー管理士電気分野・熱分野の通信講座の取扱いのある「JTEX」のリンクです。
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…以上、エネルギー管理士の基本情報について、書かせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。