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【第三種冷凍機械】初学者のための冷凍機械の構造・機能に関するまとめ資料

 

こんにちは、リキリツです。

 

私事ですが、現在今年度の第三種冷凍機械責任者試験の受験に向けて勉強中です。

 

個人的に2科目のうち「保安管理技術」科目の方が難易度が高く感じます。

 

「保安管理技術」科目が難しく感じる理由は、冷凍機械に実際に携わる経験がないので、冷凍機の構造や機能について全くイメージがつかないからだと思われます。

 

今回は、私のような冷凍機械の初学者向けに、冷凍機械の構造・機能をイメージしやすくするために作成した学習用まとめ資料について書かせていただきます。

 

自分用のまとめノートとして作成したものですので完璧なものではありませんが、あくまで参考資料としてご了承お願い致します。

 

第三種冷凍機械受験者の方に、参考にしていただければと思います。

 

 

※資料内の「FC」とは、「フルオロカーボン」を略字表記したものです。

1. 冷凍サイクル

まず最初に冷凍機械の基本である冷凍サイクルとp-h線図を重ね合わせたイメージ図を以下に示します。

 

蒸発→圧縮→凝縮→膨張の冷凍サイクルと冷媒の状態変化について表しています。

 

【ポイント】

  • 凝縮熱量=冷凍能力+圧縮仕事
  • 膨張時の比エンタルピー=蒸発時の比エンタルピー→絞り膨張

2. 主機器

2-1. 蒸発器

蒸発器の種類について、下の表にまとめます。

対比のある部分は赤字・青字で示しています。

 

大分類 小分類 用途 備考
乾式 プレートフィン 空気冷却(空調用) ・フィンピッチ:2mm(空調用)、10-15mm(冷凍用。霜付き防止のため大きい)
・大容量機には蒸発器入口に分配器(ディストリビュータ)取付
乾式 シェルアンドチューブ 水(ブライン)冷却、空調用水冷却 ・冷却管内:冷媒
・胴体(シェル)と冷却管の間:水やブライン
・胴体(シェル)側にバッフルプレート取付→水・ブライン側の熱伝達率向上
・油戻し:不要
満液式 プレートフィン 空気冷却 ・液集中機(ドラム)で蒸気を分離し液面を一定に保つ。
満液式 シェルアンドチューブ 水(ブライン)冷却 ・大容量のシェル内:冷媒
・冷却管内:水・ブライン
・油戻し機:必要(FC)
冷媒液強制循環式 プレートフィン 空気冷却・大型冷蔵庫 ・熱伝達率:良
・低圧受液器→蒸発量の3~5倍の冷媒液を液ポンプで強制循環。
・低圧液ポンプの液面は液ポンプより2m高く設定。
・冷媒の充てん量が多い

 

2-2. 圧縮機

圧縮機の種類と特徴について、下の表にまとめます。

対比のあるところを赤字・青字で示しております。

(FC:フルオロカーボンの略)

大分類 小分類 対象 備考
容積式 往復式(レシプロ式) 小・中型のFC機(主に密閉機) ・開放/半密閉/全密閉
・ピストンの往復運動
・ピストンリング(:コンプレッションリング、:オイルリング)
・多気筒圧縮機はアンローダで吸込み弁を開放させ、段階的に容量制御
容積式 ロータリー式 小型のエアコン ・開放/全密閉
・回転するピストンとシリンダの組み合わせ
容積式 スクロール式 高速回転機 ・開放/全密閉
スライド弁無段階に容量制御
・液圧縮に強い
・高速回転向き(小振動、小騒音)
容積式 スクリュー式 ヒートポンプ・冷凍用 ・開放/密閉
・オスロータ+メスロータの組合せ
高圧力比向き
・振動小
遠心式 羽根車式(ターボ) 大容量空調 ・開放/密閉
・外周部へ吐き出すことで圧力を与える
高圧力比には不向き

 

(補足)

  • 開放圧縮機…シャフトシール要
  • 全密閉圧縮機…シャフトシール不要、内部点検不可(溶接)
  • 半密閉圧縮機…シャフトシール不要、内部点検(ボルト締め)

 

2-3. 凝縮器

凝縮器について、下の表にまとめます。

対比のあるところを赤字・青字で示しております。

 

大分類 小分類 冷媒(対象機) 凝縮温度 備考
空冷式 プレートフィン FC 外気乾球温度+12~20K 顕熱を利用
・冷却管外側にフィン取付
・空気の乾球温度に影響(外気温度:高→凝縮温度:高)
・適切な前面風速(入力空気の速度):1.5~2.5m/s
・メンテナンス作業:少ない
水冷式 横型シェルアンドチューブ FC・アンモニア 冷却水出口温度+3~5K(冷却水の出入口温度差:4~6K 顕熱を利用
・冷却管内:冷却水
・円筒胴の内側と冷却管の間:冷媒
・適切な水速:1~3m/s
・伝熱面積:冷却管外表面の合計面積
水冷式 立形シェルアンドチューブ アンモニア(大型機) - ・冷却水経路…上部の水受けスロット→チューブ内→下部の水槽
・据付面積:少、冷却水の多少の汚れ可、運転中の清掃可
水冷式 二重管 FC(パッケージエアコン) - ・内管:冷却水
・内菅と外管の間:冷媒
・ワイヤフィン:冷媒側の熱伝達を向上
蒸発式 裸鋼管 アンモニア 外気乾球温度+8K ・水の蒸発潜熱を利用
・外気の湿球温度が低いほど、冷却性能向上。
・凝縮温度が低い。アンモニア冷凍装置に使用

 

2-4. 膨張弁(自動膨張弁)

自動膨張弁の種類と特徴について、下の表にまとめます。

対比のあるところを赤字・青字で示しております。

 

分類 備考
温度自動膨張弁 ・高圧の冷媒液を低圧部に絞り膨張させる。
・蒸発器出口冷媒蒸気の過熱度が一定になるよう、冷媒流量を調節して効率向上。・蒸発器の出口温度を感温筒で感知して、過熱度を一定(3~8K)に保つ。
・過熱度:大→弁:開く→冷媒量:増加
内部均圧形(圧力降下:小、小型機
外部均圧型(圧力降下:大、大型機
定圧自動膨張弁 ・蒸発圧力(蒸発温度)をほぼ一定になるよう冷媒量を調整。
・過熱度の制御は不可。(小型機向け)
キャピラリチューブ ・膨張弁の代わりに使用
・圧力降下で冷媒を絞り膨張させる。(細い銅管の流れ抵抗による圧力降下)
・過熱度の制御は不可。(小型機向け)
電子膨張弁 ・温度センサからの過熱度の電気信号を調節機で演算処理し、過熱度設定値との偏差に応じて膨張弁を開閉。
幅広い制御特性

 

3. 附属機器

附属機器の取り付け場所、役割については、初学者には特に複雑に感じることと思われます。

 

主な附属機器の取付位置・役割・特記事項について、下の一覧表にまとめます。

対比のあるところを赤字・青字で示しております。

 

イメージとしては電車の路線図のように考えると、覚えやすいのではないかと思われます。

 

主機器
・配管
附属機器 取付位置 役割 特記事項
膨張器 - 蒸発器の入口近く - -
低圧・液体 低圧受液器 蒸発器に連結 ・蒸発器に液を送る
・蒸発器から戻る冷媒液を溜める
・冷媒液強制循環式の場合取付
・液面位置制御が必要(負荷変動時、液ポンプへの蒸気吸込み防止のため。液ポンプから約2m高く)
液ポンプ 高圧・低圧受液器の液面よりも低い位置(フラッシュガス防止のため) 蒸発器へ強制的に冷媒液を送り込む ・蒸発液量の約3~5倍の冷媒量を送る。
圧力逃がし装置 液封の危険性のある配管(ポンプ出口~蒸発器までの低圧液配管) 圧力を逃がす ・強制循環方式の場合取付
ディストリビュータ(分配器) 蒸発器の入口側(膨張液の出口側) 冷媒量を多数の伝熱管で均一にする。 ・大型の乾式プレートフィン蒸発器の場合取付
蒸発器 - - - -
低圧気体 感温筒 蒸発器出口近くの水平配管部 蒸発器出口の出口温度を検知 ・温度自動膨張弁の場合取付
外部均圧管 圧縮機側の配管上側(感温筒より下流 蒸発器出口の圧力を膨張面のダイアフラム面に伝える。 ・外部均圧型温度自動膨張弁の場合取付
蒸発圧力調整弁 蒸発器出口(蒸発温度が高い方 ・蒸発圧力が下がるのを防止(特に冬季) ・複数の蒸発器の場合、蒸発温度最高のものに取付
分離器(アキュムレータ) 吸込蒸気配管(蒸発器-圧縮機間) ・冷媒蒸気と冷媒液を分離(圧縮機への冷媒液吸込み防止・液圧縮防止) ・蒸気速度1m/s以下(分離しやすくするため)
・溜まった冷媒液は少量ずつ圧縮機に吸い込ませるか、蒸発器へ戻す。
※液ガス交換機 低圧蒸気配管及び高圧液配管 ・冷媒過冷却させ、フラッシュガスを防止
・圧縮機吸込み蒸気過熱度を高め、液戻りを防止
アンモニア機では不使用(吐出しガス温度の高温のため)
二重立ち上がり管 吸込蒸気配管 ・冷媒量が変化しても、ガス速度を適切に保ち、圧縮機への潤滑油の戻りを良くする。 軽負荷時→細管を通過
全負荷時→主管を通過
吸入圧力調整弁 圧縮機入口配管 ・弁出口側の冷媒蒸気の圧力が上がるのを防止
・駆動用電動機の過負荷を防止
低圧圧力スイッチ 吸込蒸気配管 ・設定値より圧力が下がると、圧縮機を停止させる。過度の低圧運転を防止。 自動復帰式
サクションストレーナ 圧縮機吸込み口 ごみ・異物を除去
圧縮機 給油ポンプ内蔵 圧縮機内蔵 ・運転中に油圧が保持できなくなると、油圧保護圧力スイッチが作動して停止。 手動復帰式
圧縮機 油圧保護圧力スイッチ 潤滑油ポンプ内蔵圧縮機 ・油圧と低圧の差が下がると、約90秒後に接点が開き圧縮機を停止させる。
・潤滑不良による軸受けの焼付きを防止
手動復帰式
圧縮機 クランクケースヒータ 圧縮機の油槽部分 クランクケースを過熱(オンルフォーミング防止)
高圧・気体 安全弁 圧縮機の吐出し側など ・高圧遮断装置が動作しなかったとき、開いてガス圧を下げる。 ・安全弁の最小口径=(冷媒毎の定数)×√(ピストン押しのけ量)
・最小口径は低圧部の方が大きい。
・放出菅の内径は、安全弁の口径以上
・冷凍能力20t未満で省略可
高圧遮断装置(高圧圧力スイッチ) 圧縮機の吐出し側 ・吐出し圧力が異常上昇したときに、安全弁噴出前に、接点を開いて圧縮機を停止。 ・作動圧力は、安全弁の吹き始め圧力の最低値以下、かつ高圧部の許容圧力以下
手動復帰式(10t未満、FC、ユニット式の場合は自動復帰でも可)
油分離器 吐出蒸気配管 吐出し冷媒ガス中の冷凍機油を分離して潤滑不良を防止および伝熱低下の防止。 ・アンモニア機→油だめに
・大型FC機→圧縮機に戻す
・小型FC機では使わない
凝縮器 - - - -
高圧液体 凝縮圧力調整弁 凝縮器出口 冬季の凝縮圧力が下がるのを防止(弁を絞る) -
均圧管 凝縮器-高圧受液器間 冷媒液を流れやすくする -
高圧受液器 凝縮器出口-膨張弁間 ・冷媒液を一時溜めて、冷媒量の変動を吸収 ・液出口管は冷媒の液面より低い位置(受液器出口から冷媒ガスと冷媒液との流出防止)
※液ガス交換機 低圧蒸気配管及び高圧液配管 ※低圧蒸気配管に取付のものと同一 ※低圧蒸気配管に取付のものと同一 
ドライヤ 高圧液配管 冷媒系統の水分を除去し、膨張弁の氷結を防止。 ・FC機で使用
リキッドフィルタ 膨張弁手前液菅 ごみ・異物を除去 -
サイトグラス フィルタドライヤの下流 冷媒の流れの状態を見る(冷媒充てん量の不足やフィルタドライヤの交換時期の判断のため) のぞきガラス+モイスチャーインジケータ(水分量で変色)
※のぞきガラスだけのものもある。
電磁弁 膨張弁手前 低圧受液器の液面制御を行う ・直動式電磁弁…通電すると弁が開く
膨張弁 表の一番上に戻る - - -

 

 

4. 配管

主機器間の各配管について、特徴などを下の表にまとめます。

対比のあるところを赤字・青字で示しております。

 

主機器/配管 冷媒状態 冷媒速度 特記事項
蒸発器 - - -
圧縮機吸込み蒸気配管 低圧蒸気 ・冷媒蒸気中の油を圧縮機に戻せる速度(横走り管:3.5m/s以上、立上がり管:6m/s以上)
・上限20m/s(圧力降下・騒音の抑制)
・管表面の結露・着霜を防止し、吸込み蒸気温度の上昇を防止するため、防熱を施す。(ゴムで被覆)
・FC冷凍装置では二重立ち上がり管を取付。(油戻しのため、最小速度の確保と圧力降下を適正範囲に保つため)
・立上がり管以外は、Uトラップ禁止(液圧縮の防止)
・複数の蒸発器から吸込み主管への接続管は、主管の上側に立ち上げて接続(冷媒液・油の逆流防止)
圧縮機 - - -
圧縮機吐出しガス配管 高圧・蒸気 ・冷媒ガス中の冷凍機油が確実に運ばれるガス速度(横走り管:3.5m/s以上、立上がり管:6m/s以上)
・上限25m/s(圧力降下・騒音の抑制)
・全摩擦圧力損失20kPa以下(高速すぎると摩擦による圧力降下が増える)
・圧縮機停止中に、配管内で凝縮した冷媒液・油が圧縮機に逆流しないこと
・吐出し管上部に逆止め弁を設置(冬季に停止中に凝縮器内冷媒の再蒸発・凝縮防止のため)
凝縮器 - - -
高圧液配管 高圧液体 ・冷媒液のフラッシュ防止のため、流速を小さくする(圧力降下のため1.5m/s以下)。 ・圧力降下は20kPa以下
・均圧管を取付(凝縮器-受液器間の管を冷媒液が流下しやすくするため)
・二段圧縮装置の場合、受液器~膨張弁間で液封が発生しやすい。
膨張弁 - - -
低圧液配管 低圧・液体 - ・液封が発生しやすい(冷媒液強制循環方式の場合)

 

【補足】

  • 横走り管は、流れ方向に1/150~1/250の下り勾配
  • 横走り管にはUトラップを避ける(液圧縮の防止)

 

5. 関連記事

今回作成した資料は、私が学習で使用しているテキスト「ゼロからはじめる3種冷凍試験」(オーム社)及び過去問題集「2022年版第3種冷凍機械責任者試験過去問題集」(オーム社)からの情報を抜粋してまとめたものです。

 

以下リンク記事にてテキスト・過去問題集の詳細を書かせていただいておりますので、よろしければご参照ください。

rikiritsu.com

 

…以上、初学者のための冷凍機械の構造・機能に関する学習用まとめ資料について書かせていただきました。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。