こんにちは、リキリツです。
以前から気になっていた「消防設備士」という資格は、特定の資格を取得していれば甲種からでも受けることができるようなので、受験者数が多く需要も見込まれる「消防設備士甲種第4類」をこのたび受験することにしました。
資格取得の第一歩として「消防設備士甲種第4類」について色々調べてみたのですが、消防設備士は免状の種類が多く情報がゴチャゴチャしているので、「甲種第4類」についての情報を抜粋してまとめたものを記事にさせていただきます。
初めて消防設備士甲種第4類を受験される方や、消防設備士という資格にご興味をお持ちの方に参考にしていただければと思います。
1. 「消防設備士甲種第4類」の資格について
消防設備士とは、劇場、デパート、ホテルなどの特定の設備に法律により設置を義務付けられている各種消防設備の工事、整備などを行うための資格です。
消防設備士免状には、「工事、整備、点検」を行うことのできる「甲種」と「整備、点検」のみを行える「乙種」があります。
また対象の消防設備は特類、第1類~第7類の分類があり、それぞれに応じた免状が必要となります。
消防設備士各種免状の種類の概要を以下の表にまとめます。
(甲種には第6類、第7類の免状はありません。また、乙種には特類の免状はありません。)
消防設備士
類\種 | 甲種 (工事・整備・点検) |
乙種 (整備・点検のみ) |
消防設備の種類 ※詳細は省略しています。 |
---|---|---|---|
特類 | ○ | なし | 特殊消防用設備など |
第1類 | ○ | ○ | 屋内・屋外消火栓設備、スプリンクラー設備など |
第2類 | ○ | ○ | 泡消火設備など |
第3類 | ○ | ○ | 不活性ガス消火設備など |
第4類 | ○ | ○ | 自動火災報知設備など |
第5類 | ○ | ○ | 金属製避難はしごなど |
第6類 | なし | ○ | 消火器 |
第7類 | なし | ○ | 漏電火災警報器 |
「消防設備士甲種第4類」は、自動火災報知設備などの、工事・整備・点検を行うことができる資格です。
「消防設備士甲種第4類」は甲種の中でも最も受験者数が多く、需要の多い資格であると思われます。(下表をご参照ください)
消防設備士甲種受験者数 [人]
年 | 特類 | 第1類 | 第2類 | 第3類 | 第4類 | 第5類 |
---|---|---|---|---|---|---|
R3 | 573 | 5,838 | 1,732 | 1,793 | 9,725 | 1,663 |
R2 | 918 | 9,949 | 2,895 | 2,893 | 16,554 | 2,888 |
R1 | 1,087 | 10,036 | 3,023 | 3,072 | 17,361 | 3,205 |
免状を取得するためには、一般財団法人消防試験研究センターが実施している試験に合格し、免状を申請する必要があります。
免状を取得したものは、定められた期間内ごとに都道府県知事が行う講習を受けなければなりません。(講習の受講義務)
(関連リンク)一般財団法人消防試験研究センターのホームページで試験詳細の確認が可能です。
↓ ↓ ↓
トップ|一般財団法人消防試験研究センター (shoubo-shiken.or.jp)
2. 受験資格
消防設備士甲種4類を受験するには受験資格が必要となります。
受験資格には、「国家資格などによる受験資格」と「学歴による受験資格」があります。
「国家資格などによる受験資格」には、第4類以外の甲種消防設備士、技術士(2次試験合格)、電気工事士(第1種又は第2種)、電気主任技術者(第1種、第2種又は第3種)などがあります。(詳細は省略)
「学歴による受験資格」には、「機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する科目を15単位以上(高等学校は8単位以上)の習得」が認められています。(詳細は省略します)
(関連リンク)一般財団法人消防試験研究センターのホームページの「消防設備士試験」→「受験資格」から、受験資格詳細の確認が可能です。
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トップ|一般財団法人消防試験研究センター (shoubo-shiken.or.jp)
3. 試験場所と試験日
「消防設備士甲種第4類」の試験場所は47都道府県全てで実施されています。
試験日は開催される場所ごとに異なります。
受験申請は、一般財団法人消防試験センターの各都道府県支部になります。
なお各都道府県ごとの試験場所・試験日・受付期間は以下の試験センターのリンクより「消防設備士」→「試験日程」から受験資格詳細の確認が可能です。
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トップ|一般財団法人消防試験研究センター (shoubo-shiken.or.jp)
なお、お住まいの地域以外の都道府県でも試験を受験することができます。
毎月1回以上どこかで試験が開催されているので、受験場所にこだわりがなければ試験勉強の開始時期に融通がきき、不合格してもすぐに再受験が可能です。
ただし試験に合格した場合の免状の申請は、試験に合格した都道府県での手続きが必要となります。
4. 申込費用と申込み方法
消防設備士甲種4類の申込費用は5,700円です。
消防設備士甲種4類の申込み方法には「電子申請(インターネットによる申請)」と「書面による申請」の2通りがあります。
ただし、「電子申請(インターネットによる申請)」は受験資格が「第4類以外の甲種消防設備士」の場合のみ可能な方法となります。
その他の受験資格の場合は資格証明書類が必要なので、「書面による申請」となります。
「書面による申請」には、「受験願書」を最寄りの消防試験研究センターに直接もらいに行くか、問合せして郵便で送ってもらう必要があります。
5. 試験科目・問題数・合格基準・一部免除
5-1. 免除なしの場合
「消防設備士甲種第4類」を免除なしで受験する場合の、受験科目・問題数・合格基準は下表のとおりです。
試験種類 | 方式 | 科目 | 問題数 | 合格基準 | 試験時間 |
---|---|---|---|---|---|
筆記試験 | マークシート四肢択一式 | 消防関係法令(共通・種別) | 15問 | 各科目40%以上 + 合計60%以上 |
2時間15分 |
基礎的知識(電気) | 10問 | ||||
構造・機能及び工事・整備(電気・規格) | 20問 | ||||
実技試験 | 写真・イラスト・図面等によ記述式 | 識別など | 5問 | 60%以上 | 1時間 |
製図 | 2問 |
試験の合格には、「筆記試験」と「実技試験」のどちらも合格する必要があります。
(参考)以下の試験センターのリンクより「消防設備士」→「過去に出題された問題」から、昨年度の試験問題のpdfデータをダウンロードすることが可能です。
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5-2. 試験科目の一部免除
消防設備士(甲種)、電気工事士(第1種、第2種)、電気主任技術者(第1~3種)、技術士(
消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、技術士等の資格を有する方は、申請をすれば試験問題の一部免除が適用されます。
取得済みの資格ごとの免除内容を以下の表にまとめます。
取得済み資格 | 免除の内容 |
---|---|
消防設備士甲種(第1,2,3,5類) | 消防関係法令の共通部分(15問) |
電気工事士(第1種、第2種) | 筆記試験:「基礎的知識 」(10問)及び「構造・機能及び工事・整備」の「電気に関する部分」(12問) 実技試験:鑑別等試験の問1(1問) |
電気主任技術者(第1~3種) | 筆記試験:「基礎的知識 」(10問及び「構造・機能及び工事・整備」の「電気に関する部分」(12問) |
技術士(電気・電子部門) | 筆記試験:「基礎的知識」(10問)と「構造・機能及び工事・整備」(12問) |
※実務業務・職業訓練による免除の内容については、省略致します。
免除が適用された場合の問題数は以下の表のようになります。
試験種類 | 科目 | 免除なし | 消防設備士 | 電気工事士 | 電気主任技術者 | 技術士 |
---|---|---|---|---|---|---|
筆記試験 | 消防関係法令(共通・種別) | 15問 | 0問(全問免除) | 15問 | 15問 | 15問 |
基礎的知識(電気) | 10問 | 10問 | 0問(全問免除) | 0問(全問免除) | 0問(全問免除) | |
構造・機能及び工事・整備(電気・規格) | 20問 | 20問 | 8問(12問免除) | 8問(12問免除) | 0問(全問免除) | |
実技試験 | 識別など | 5問 | 5問 | 4問(1問免除) | 5問 | 5問 |
製図 | 2問 | 2問 | 2問 | 2問 | 2問 |
免除を適用した場合、注意が必要なことが2つあります。
- 試験問題数に応じて、試験時間が短縮される。
- 合格基準は免除なしの場合と同じ
試験時間は、免除された試験問題数の分だけ短縮されます。
例えば、消防設備士(甲種)での一部免除が適用された場合は、筆記試験の問題数が免除なし45問→免除適用30問となるので、試験時間は免除なし:2時間15分→免除適用:1時間30分 に短縮されます。
また合格基準は免除を適用しても免除なしの場合と同じく「各科目40%以上+合計60%以上」と変わりませんので、間違えられる問題数も減ってしまうことになります。
免除対象の資格を保有していても、免除の申請をしなければ免除なしで試験を受験することが可能ですので、どちらで受験するか検討する必要があります。
個人的には、電気の知識を習得しているのであれば免除しないほうが正解率を上げられるのではないかと思われます。
6. 合格率
「消防設備士甲種第4類」のH25年~R4年度までの過去10年の合格率は以下の表のとおりです。この10年間の合格率の範囲は29.0~38.9%で、平均33.4%になります。
合格率から判断すると、危険物取扱者第4類と同じくらいの難易度と考えてよさそうです。
年度 | 申請者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
R4 | 12,691 | 9,744 | 3,363 | 34.5% |
R3 | 12,641 | 9,725 | 3,784 | 38.9% |
R2 | 21,977 | 16,554 | 6,159 | 37.2% |
R1 | 23,080 | 17,361 | 5,831 | 33.6% |
H30 | 24,604 | 18,484 | 5,986 | 32.4% |
H29 | 25,265 | 19,033 | 5,845 | 30.7% |
H28 | 25,640 | 19,301 | 6,403 | 33.2% |
H27 | 25,011 | 18,958 | 5,494 | 29.0% |
H26 | 23,377 | 17,936 | 6,269 | 35.0% |
H25 | 22,757 | 17,491 | 5,859 | 33.5% |
過去10年統計 | 217,043 | 164,587 | 54,993 | 33.4% |
…以上、消防設備士甲種第4類を初めて受験するときに下調べしたことについて書かせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。