こんにちは、リキリツです。
今回は、資格試験で役立つ電卓を使用した計算テクニックについて紹介します。
電卓は四則演算機能(+、-、×、÷)だけを使用しても計算問題の答えを出すことはできますが、何度もメモを取りながら計算をしなければならないので、時間もかかるし、計算ミスも多くなります。
計算機の機能を使いこなすことで問題を解くスピードを格段に速くすることができ、資格試験に合格できる可能性が上がります。
特に電気系資格の電験三種、電験二種、エネルギー管理士試験などで有効な計算テクニックです。
電気系資格を受験される方に参考にしていただければと思います。
1.使用する電卓
カシオ製の電卓の機能を使ったテクニックを紹介致します。
下記の記事で私が使いやすいと思うカシオ製の「ミニジャストタイプ電卓 12桁 MW-12A-N」 という電卓を紹介しておりますので、ご参照ください。
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※電卓の操作方法はメーカーにより異なります。今回はカシオ製の電卓の使用法を紹介致します。
2.覚えておくべき機能
2-1. メモリ計算
計算機の「メモリ」に数値を記憶させて、必要な時に呼び出す機能です。
各キーの機能を説明します。
- 「M+」…「メモリ」に加算
- 「M-」…「メモリ」から減算
- 「MRC」×1回…「メモリ」を呼び出す。
- 「MRC」×2回…「メモリ」をクリア。
※メモリ内に数値が記憶されている場合は表示部左上に小さい「M」が表示されます。
(計算例)
(5+8)×(18-4)の計算
5「+」8「=」(表示:13)
↓
「M+」:メモリ計算結果「13」が記録される。
↓
「AC」:表示をクリア
↓
18「-」4「=」(表示:14)
↓
「×」「MRC」
:計算結果「14」にメモリ内から呼び出した「13」をかける。
↓
「=」(表示:182)…計算結果
2-2. 累乗計算
累乗計算(2乗、3乗、4乗…)の計算をするには、下記の操作で行えます。
(累乗計算結果の表示)
- 2乗:(数字)「×」「×」「=」
- 3乗:(数字)「×」「×」「=」「=」
- 4乗:(数字)「×」「×」「=」「=」「=」
※2回「×」を押した後、「=」を押す回数を増やしていくことで、2乗、3乗、4乗…の計算結果が表示されます。
(注)累乗の計算結果をメモリに加算する場合は、累乗の計算をする最後の「=」の代わりに「M+」を押します。
(累乗計算結果をメモリに加算)
- 2乗:(数字)「×」「×」「M+」
- 3乗:(数字)「×」「×」「=」「M+」
- 4乗:(数字)「×」「×」「=」「=」「M+」
(例) の計算
「5」「×」「×」「=」…(表示:25)
(例)の計算結果をメモリへの記録
「5」「×」「×」「M+」…(25がメモリに記録される)
※累乗計算は定数計算という繰り返し同じ数値を使って計算する機能を利用した計算法です。 「×」を2回押すと表示部左上に「K」と表示されます。
2-3. 「AC」、「C」、「▶」の使い分け
「AC」:オールクリア。メモリ以外の消去(リセット)
「C」:クリア。直前に入力した数字列(表示部に出ている数字)を消去。
「▶」:桁下げ。直前に入力した1文字だけを消去。パソコンの「バックスペース」キーと同じ機能。
(例)123+456 の時点で各キーを押すと、赤字の部分を消去します。
「AC」:123+456
「C」:123+456
「▶」:123+456
※計算の途中で入力を間違った場合は「AC」で全て消去するのではなく、「C」、「▶」キーで間違えた部分のみを修正することで、計算時間のロスを小さくして問題を解く速度を速くできます。
2-4. その他のよく使う機能
「√ ̄」:開平計算(ルート)。平方根を算出。
「+/-」:符号変換。表示されている数値の「+」、「-」の符号を逆転。
3. 資格試験での実際の計算への応用例
3-1. 二次関数 の解の計算
二次関数の解の計算は、解の公式にa,b,cの値を入力して計算します。
(解の公式)
(例題)
解の公式に、a=3、b=9、c=2 を代入すると、
この式を計算機で計算する手順を説明します。
手順①:分子の√ ̄部を計算
9「×」「×」「M+」
(メモリに が 記録される。左上に「M」が表示される。)
↓
4「×」3「×」2「=」「M-」
(メモリから4×3×2=の計算結果24を引く。メモリの数値が81-24=57 になる。)
↓
「M+」:メモリの数値を呼び出し。(表示:57)
↓
「M+」:メモリのクリア(表示:57。左上の「M」が消える。)
↓
「√ ̄」: を計算
↓
「M+」:7.5498… をメモリに記録。左上に「M」が表示される。
手順②:分子の「±」が「+」の時の解を計算
「MRC」:メモリから7.5498…を呼び出し。
↓
「-」9「=」:-9+7.5498… を計算
(表示-1.4501…)
↓
「÷」「2」「÷」「3」「=」:
↓
計算結果 -0.2416…(1つ目の解)
手順③:分子の「±」が「-」の時の解を計算
「MRC」:メモリから7.5498…を呼び出し。
↓
「+/-」「-」9「=」:-9-7.5498… を計算
(表示-16.5498…)
↓
「÷」「2」「÷」「3」「=」:
↓
計算結果 -2.758…(2つ目の解)
3-2. 力率の計算
力率 cosθ は次式で計算できます。
P:有効電力 [W]
Q:無効電力 [var]
(例題)
P=52[kW]、Q=37.5[kvar] の時の力率cosθを求める。
この式を計算機で計算する手順を説明します。
手順①:分母を求める。
52「×」「×」「M+」:
メモリに が 記録される。左上に「M」が表示される。)
↓
「AC」:表示をクリア
↓
37.5「×」「×」「M+」:
メモリに が 加算される。メモリの数値は2704+1406.25=4110.25になる。)
↓
「AC」:表示をクリア
↓
「M+」:メモリの数値を呼び出し。(表示:4110.25)
↓
「M+」:メモリのクリア(表示:57。左上の「M」が消える。)
↓
「√ ̄」: を計算
↓
「M+」:64.111… をメモリに記録。左上に「M」が表示される。
手順②:分子÷分母で答えを求める。
52「÷」
↓
「M+」:メモリの数値(64.111…)を呼び出し。52÷64.111…が計算される。
↓
「=」:(表示 0.811…)答え 81.1%
…以上、問題を解く速度を上げるための、計算機のテクニックを紹介させていただきました。
最初は難しく感じるかも知れませんが、覚えてしまえば資格試験を受験する上でかなり有利になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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