こんにちは、リキリツです。
今回は、エネルギー管理士の電気分野に6か月間の独学で一発合格するための攻略法について書かせていただきます。
エネルギー管理士は電気分野より熱分野のほうが合格率が高いので、一発合格を目指すのなら熱分野の方がいいという意見もあるかと思います。
しかし、エネルギー管理士の電気分野で学習する内容は、電験三種と重複する部分が多いため、電験三種に合格されている方にはエネルギー管理士は電気分野で受験するほうが非常に有利となります。
また、エネルギー管理士の後に電験三種の取得を視野に入れておられる方にも、電気分野を選択しておくことで電験三種を取得しやすくなります。
実際に私も電験三種合格後に、エネルギー管理士の電気分野を受験し一発合格できました。
エネルギー管理士と電験三種のダブル取得を目指している方に、1つの意見として参考にしていただければと思います。
- 1. エネルギー管理士の難易度・電験三種との比較
- 2. 独学におすすめの過去問題集・参考書
- 3. エネルギー管理士(電気分野)と電験三種との重複部
- 4. スケジュールを作成する
- 5. 最初に参考書を1通り読む
- 6. 過去問題集を正誤・得点を記録しながら、3周解く
- 7. 電気技術誌「電気計算」で模擬試験を実施する
- 8. 課目ごとの学習ポイント
- 9. ラストスパート
- 10. 通信講座リンク
1. エネルギー管理士の難易度・電験三種との比較
まず最初にエネルギー管理士の難易度について書かせていただきます。
エネルギー管理士は「電験2.5種」と言われることもあるので、電験三種より難しいイメージをお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
私も実際に、電験三種とエネルギー管理士を受験した経験があるのですが、エネルギー管理士の難易度は電験三種ほど高くない印象を受けました。
確かにエネルギー管理士には、ラプラス変換など電験三種より高度な数学知識が必要な問題も出題されます。
しかしエネルギー管理士の試験問題は、基本が理解できていれば解答できる問題や、過去問題の類似問題が多く出題される傾向があるので、過去問題中心の学習で十分合格できるレベルに達することができるため、電験三種より合格しやすい試験だと思われます。
過去5年の合格率は、エネルギー管理士(電気分野)で約30%前後、電験三種で約10%前後となっており、やはりエネルギー管理士の方が合格しやすい試験であるといえます。(下表参照)
年度 | エネ管(電気) | 電験三種 |
---|---|---|
2022年 | 29.9% | 8.3% |
2021年 | 33.5% | 11.5% |
2020年 | 35.6% | 9.8% |
2019年 | 19.8% | 9.3% |
2018年 | 26.4% | 9.1% |
(関連リンク)エネルギー管理士を受験前に知っておくべき基本情報については、以下リンク先の記事で詳細を書かせていただいております。よろしければご参照ください。
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2. 独学におすすめの過去問題集・参考書
2-1.おすすめ過去問題集
おすすめの過去問題集は、「○年版 エネルギー管理士(電気分野)過去問題集(オーム社)」です。
こちらは直近10年分の過去問題と解説が収録された過去問題集です。
エネルギー管理士の試験は、繰り返し同じような問題が出題される傾向が大きいので10年分あれば十分だと思います。
2-2. おすすめ参考書
エネルギー管理士(電気分野)の学習内容には電験三種と重複する部分が多いため、電験三種の学習経験がない方とある方とでおすすめする参考書が分かれてきます。
電験三種の学習経験がない方におすすめの参考書は、「エネルギー管理士徹底マスターシリーズ (オーム社)」です。
こちらは「エネルギー総合管理及び法規」・「電気の基礎」・「電気設備及び機器」・「電力応用」の科目ごとに1冊ずつに分かれているので、4課目ごとのエネルギー管理士合格に必要な知識を習得するための情報が詰まっている、初学者向けの参考書です。
電験三種の学習経験がある方におすすめの参考書は、「エネルギー管理士試験(電気分野)徹底研究(改訂2版)(オーム社)」です。
こちらは「エネルギー総合管理及び法規」・「電気の基礎」・「電気設備及び機器」・「電力応用」の4課目が1冊にまとめられた参考書です。
4課目の出題のポイントや重要項目が分かりやすくまとめられているので、電験三種を学習した方がエネルギー管理士の学習に最適の参考書だと言えます。
また電験三種の「理論」・「電力」・「機械」課目の参考書をお持ちの方は、エネルギー管理士の学習に活用することができます。
(関連記事)
おすすめ参考書・問題集については、以下リンク先の記事にて詳細を書かせていただいておりますので、よろしければ参照ください。
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3. エネルギー管理士(電気分野)と電験三種との重複部
この項目は電験三種の学習経験のない方は読み飛ばしてください。
ここでは、電験三種の学習経験のある方のために、エネルギー管理士各課目の電験三種との重複分野を説明致します。
課目Ⅰ. エネルギー総合管理及び法規
…この科目は電験では重複していない、新しく学習する必要のある科目です。
課目Ⅱ. 電気の基礎
…電験三種の理論、機械科目、の知識がそのまま使えます。
課目Ⅲ. 電気設備及び機器
…電験三種の電力・機械科目の分野の知識がそのまま使えます。
課目Ⅳ. 電力応用
…電験三種の機械科目の知識が応用できます。
「空気調和」に関しては、電験三種より深掘りした内容なので学習が必要ですが、選択問題なので学習を省略することもできます。
4. スケジュールを作成する
ここでは、6ヵ月(約180日)で合格するために学習期間をどのように使うかをざっくりとしたもので構いませんのでスケジュールを作成して計画します。
スケジュールに最低限必要なことは過去問題集10年分を解く時間を確保することです。
参考として以下のスケジュールを提案しますので、参考にしてみてください。
やること | 日数 | 備考 |
---|---|---|
参考書1周 | 40日 | 参考書10日で1冊×4課目分(ノートは作らない) |
過去問題集1周目 | 40日 | 4課目×10年分。1日1科目 |
過去問題集2周目+ノート作成 | 40日 | 1日2課目+分からない部分のノートを作成 |
過去問題集3周目+弱点強化 | 40日 | 間違った問題を中心に学習 |
ラストスパート | 20日 | 模擬試験、まとめノート作成、弱点強化 |
合計日数 | 180日 |
5. 最初に参考書を1通り読む
4課目の参考書を途中に出てくる問題を解きながら一通り読みます。
1課目ずつまとめて読んでも構いませんが、例えば1章ごとに課目を変えながら読むようにすると飽きずに勉強を続けることができます。
またこの段階では深く理解する必要はありませんので、時間をかけすぎずに分からなければ解答を見るだけでも良いのでサラっと読んでください。
ここで時間をかけすぎるより、この後の過去問題集を解く時間を多くかけるるほうが効率よく合格する実力をつけることができます。
以上の理由から、ノートは最初に作らないほうが良いです。
勉強の初めからノートを作成するとボリュームが多くなり、時間もかかり過ぎるし後か見にくいものになってしまい、結局終盤でノートを作り直したりすることになり効率が悪くなります。
6. 過去問題集を正誤・得点を記録しながら、3周解く
6-1. 過去問題集1周目
過去問題集1週目は1日1課目1年分ずつ解いていきます。
分からない部分は解説と参考書を読みながら、できる範囲で理解しながら学習を進めます。
解説を読んでも理解できない問題は無理せず飛ばして、次の問題に取りかかります。
合格するための正解率は60%ですので、全ての問題を無理して理解する必要はありません。
過去問題集には頻出される問題もあり、解いているうちに覚えられるものもありますので、1周目ではまだノートの作成は必要ありません。
必ずしてほしいのは、正解した問題、間違えた問題、得点(正解率)が分かるように成績をエクセル表にまとめていくことです。
成績を表にまとめておくことで、2周目~3周目と進めていくうちに成長が可視化できるので学習を続けるモチベーションになりますし、また不正解だった問題を抽出しやすいので終盤の弱点強化の学習にも役立ちます。
エクセル表の作成方法は、リンクの関連記事に詳細を書かせていただいておりますのでご参照ください。
【過去問1周目のポイント】
●1日1課目1年分を解く。
●間違った問題は解答と参考書で調べる。
●難しすぎる問題は飛ばす
●エクセル表で成績をつける。
●ノートは作らない。
(関連記事)過去問題集の成績をエクセル表にまとめながら行う学習法は、以下リンク記事にて詳細を書かせていただいております。よろしければご参照ください。
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6-2. 過去問題集2周目+ノート作成
過去問題集2周目は1日2課目ずつ解いていきます。
1周目で難しすぎて飛ばした問題は再度挑戦しましょう。
学力がついて理解できるようになっていることもあります。
(理解できなくても無理せず飛ばしても大丈夫です。)
成績はエクセル表に追記して記録します。
2周目は1周目より問題を解くスピードが速くなり時間に余裕ができますので、間違えた問題について参考書で調べながら覚えたいポイントをまとめたノートを作成していきます。
ノートは分野ごとにルーズリーフに作成していくことをおすすめします。
理由は加筆・修正・ページの挿入・削除がしやすいからです。
【過去問2周目のポイント】
●1日2課目1年分を解く。
●間違えた問題は参考書で調べて、覚えたいポイントをノートに作成する。
●ノートはルーズリーフを使用。
6-3. 過去問題集3周目+弱点強化学習
過去問題集3周目は、エクセル成績表で1周目、2周目どちらも正解した問題以外を解いていきます。
2周連続正解できた問題は既にマスターしていると考えても良いので、残った苦手な問題のみ解いて効率よく学習すれば実力を伸ばすことができます。
3周目が終わった段階の正解率は合格基準の60%から少し余裕をもって70%以上を目標にしておくと良いでしょう。エクセルで成績表をつけてれば、正解率の確認も簡単にできます。
ノートは2周目に作成したものを補完しながら学習を進めていきます。
【過去問3周目のポイント】
●苦手な問題(2回連続で正解した問題以外)を解く。
●ノートは2周目に作成したものを補完する。
●正解率70%以上を目標にする。
7. 電気技術誌「電気計算」で模擬試験を実施する
過去問題3周の学習でついた実力を試すために、電気書院より毎月12日に発行される電気技術誌「電気計算」を使って模擬試験を実施することをおすすめします。
試験の1か月ほど前に発行される「電気計算」には模電エネルギー管理士(電気分野)の模擬問題が掲載されています。
毎年、7月号か8月号(6月12日or7月12日)に模擬問題が掲載されます。
※2022年度は8月号(7月12日発売)でした。
この「電気計算」の模擬問題を使用して、実際の試験時間割に合わせて模擬試験を実施してみてください。
過去問題集を繰り返し学習していると、問題の順番や選択肢の内容を覚えてしまい、あまり理解していなくても正解できてしまう状態になることがあります。
模擬試験で過去問題集どおりではない初見の問題を解くことで、得意・不得意分野と現段階の実力を確認することができます。
模擬試験の結果を踏まえて、残りの1か月余りで弱点を強化する学習に取り組むことで合格できる確率を上げることができます。
(関連記事)以下リンク記事は、「電気計算」を使用したエネルギー管理士(電気分野)の模擬試験について書かせていただいたものです。よろしければご参照ください。
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8. 課目ごとの学習ポイント
ここでは、エネルギー管理士(電気分野)の科目ごとの攻略ポイントについて説明させていただきます。
課目Ⅰ. エネルギー総合管理及び法規
この課目では、特に以下に挙げるような問題が繰り返し出題される傾向があります。
- エネルギーの使用量を原油の量に換算およびエネルギー管理者などの選任必要数に関する問題
- 単位を国際単位系(SI)で表す問題
- 30分ごとの使用電力を最大需要電力以下に抑える問題
これらの問題は基本を理解できていれば得点源にできる問題なので、確実に抑えておきましょう。
法規に関する問題は、電験三種との重複がない分野なので、過去問だけではなく参考書でもプラスアルファの学習をしておくことをおすすめします。
課目Ⅱ. 電気の基礎
電験三種を学習された方は、「理論」、「機械」(自動制御・情報)の分野で学んだことがそのまま生かせる課目です。
計算問題が多い課目なので、過去問題で繰り返し学習で、正解率を上げていけば攻略は可能です。
課目Ⅲ. 電気設備及び機器
電験三種を学習された方は、「電力」、「機械」(直流機・同期機・誘導機・変圧器・パワエレ)の分野で学んだことがそのまま生かせる課目です。
計算問題と文章問題が半分ずつくらいで出題されるので、過去問の繰り返し学習で計算問題を得点源にできる実力をつけ、文章問題も丸暗記ではなく意味を理解しておく必要があります。
課目Ⅳ. 電力応用
この課目では必須問題:電動力応用×2問と選択問題で電気加熱・電気化学・照明・空気調和の4問の中から2問を選択して解答する必要があります。
電験三種を学習された方は、「機械」(電動機応用・電気加熱・電気化学・照明・パワエレ)の分野で学んだことがそのまま生かせる課目です。
「空気調和」は、電験三種の「ヒートポンプ」をより深掘りした内容です。
出題される分野と問題数が決まっているので、過去問題を学習した成績から苦手だと思った分野は捨ててしまうのも一つの戦法です。
私は「電気加熱」と「電気化学」が得意分野だったので、この2科目を重点的に学習し、「照明」を得意分野が難問だったときの保険で補助的に学習をして、「空気調和」を捨て分野にしました。
9. ラストスパート
試験前の数週間はラストスパートの期間になります。
ラストスパートでも過去問題集3周目の学習と同様、これまでの学習で間違った問題を重点的に解いて少しでも正解率を上げるために時間を使いましょう。
ラストスパートでの学習で実力をもうひと伸びさせることができるので、最後まであきらめずに学習を続けましょう。
またルーズリーフで作成したまとめノートを完成させましょう。
既に覚えられたと思うページは抜き取ってしまって、間違えやすい内容を整理して直前に見直すための使えるものにしておきます。
ルーズリーフ用のファイル1冊に4科目分のノートが収まる量くらいがベストだと思います。
最後に最も重要なのは、万全の状態で受験できるように体調を管理することです。
特に睡眠時間を削って勉強することは厳禁です。
(関連記事)以下のリンク記事にて、ラストスパートの学習法について詳細を書かせていただいております。よろしければご参照ください。
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10. 通信講座リンク
エネルギー管理士電気分野・熱分野の通信講座の取扱いのある「JTEX」のリンクです。
↓ ↓ ↓
…以上、エネルギー管理士(電気分野)を6か月間の独学で一発合格するための攻略法について、書かせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。