こんにちは、リキリツです。
先日、消防設備士乙種第7類に独学で一発合格することができました。
今回は、「消防設備士乙種第7類(乙7)」を独学で合格するために投資した勉強時間及び金額と資格を取得したことで期待できるメリット(成果・リターン)について書かせていただきます。
「消防設備士乙7」の受験を検討されている方や興味のある方に、参考にしていただければと思います。
1. 資格受験時の私について
2023年夏に消防設備士乙7を受験した当時の私のスキルは、下記の通りです。
- 私立大学の電気工学科卒の社会人
- 取得済資格:(取得順に)初級システムアドミニストレータ試験、応用情報技術者試験、電験三種、電験二種、エネルギー管理士試験(’電気)、第二種電気工事士、乙種第4類危険物取扱者、2級ボイラー技士、品質管理検定3級、第3種冷凍機械責任者、消防設備士甲種第4類・乙種第6類、日商簿記検定3級
- 消防設備に関する実務経験なし
消防設備士の仕事に就いたことはありませんが、電気保安の業務経験があり漏電火災警報器に対しては基礎知識がある状態でした。
また消防設備士甲4・乙6の資格を取得済みでしたので法令の共通部と基礎的知識についての知識がありました。
消防設備士乙7の資格の受験動機は、受電設備の年次点検などでも扱うことのある漏電火災警報器に関する知識を深めたいと思ったからです。
2. 投資したもの
2-1. 資格取得までの投資金額
私が消防設備士乙7を取得するまでに投資した金額を以下の表にまとめます。
※消費税を含んだ金額です。(2023年当時)
分類 | 明細 | 金額 |
---|---|---|
教材 | 消防設備士第7類 令和5年版(公論出版) | 2,750 |
受験費用 | 証明写真撮影費 | 900 |
受験費用 | 試験手数料 | 3,800 |
受験費用 | 電子申請払込手数料 | 230 |
受験費用 | 試験会場までの交通費 | 740 |
免状申請費用 | 免状交付申請費用 | 2,900 |
免状申請費用 | 返信用封筒への郵便切手 | 434 |
免状申請費用 | 免状申請書類郵送費(簡易書留) | 440 |
合計投資額 | 12,194 |
私が消防設備士乙6を取得するまでにかかった投資金額は合計12,194円でした。
消防設備士の試験は全国で実施されていますが、今回の試験地は居住地の近くだったので、交通費を抑えることができ、試験場所が遠かった乙6のときより安くなりました。
※文房具などの費用は、資格を受験しなくても使っていた金額だと思われますので含めておりません。
(関連リンク)購入した教材については、以下のリンク先記事にて詳細を書かせていただいておりますので、よろしければご参照ください。
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2-2. 資格取得までの勉強時間
私が消防設備士乙7を取得するまでに行った勉強時間は以下のとおりです。
- 学習期間:2023年7月中旬~8月中旬(約1か月)
- 学習の頻度:学習期間が平日は毎日。土日祝は勉強をしない日もありました。
- 1日あたりの学習時間:最初の20日間は1日平均約1時間、最後の10日間は平均2時間
- 総学習時間:約40時間
私は消防設備士甲4、乙6を取得後での乙7の受験だったため、乙7から消防設備士を受験される場合はもう少し勉強量が必要になると思われます。
なお免除を適用しなかったので、勉強範囲は公論出版のテキスト1冊です。
(免除を適用すれば、今回のケースより勉強量を減らすことは可能だと思われます。)
学習期間の1か月を序盤・中盤・終盤に分けて学習を進めていきました。
序盤から終盤までの学習内容と学習時間を以下の一覧表にまとめます。
期間 | 学習段階 | 学習内容 | 1日平均 | 日数 | 学習時間 |
---|---|---|---|---|---|
1~6日目 | 序盤 |
参考書を1通り読む (法令共通部・電気の基礎的知識以外) |
1時間 | 6日 | 6時間 |
7~20日目 | 中盤 |
参考書の問題を3周解く (最初の2周は法令共通部・電気の基礎的知識以外) |
1時間 | 14日 | 14時間 |
21~30日目 | 終盤 |
中盤の学習で間違った問題の強化学習 |
2時間 |
10日 | 20時間 |
- | - | 合計 | - | 30日 | 40時間 |
(関連リンク)学習内容の詳細については、以下リンク先記事にて詳細をかかせていただいておりますので、よろしければご参照ください。
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3. 取得後のメリット(成果・リターン)
3-1. 資格手当がもらえる
消防設備業やビルメンテナンス業では消防設備士乙7を取得していると資格手当がもらえる会社が多いようです。
消防設備士乙の資格手当の相場をみてみると、500円~3000円と幅があり、平均は1000円~2000円程度のようです。
(参考:消防設備士甲種の資格手当は1000~5000円程度のようです。)
資格を取得するまでの投資金額が約12000円なので、資格手当(500円~3000円)がもらえる場合は約5~25ヵ月で元をとることができます。
また資格取得を奨励している会社では資格手当ではなく、一時金をもらえるところもあるようです。
残念ながら私が現在在籍している会社(製造業)では、消防設備士乙7の免状を取得していても資格手当や一時金はありません。
3-2. 就職・転職・キャリアアップに役立つ
資格を取得したことでキャリアアップにつながっているかどうかを、求人数から確認してみます。
4社の求人サイト(A・B・C・D社)から「消防設備士」を含む全国の求人件数を調査した結果を以下の表にまとめます。
【求人件数調査結果(2024年1月3日時点)】
A社 | B社 | C社 | D社 |
---|---|---|---|
317件 | 2314件 | 864件 | 300件 |
求人の内容を見てみると、消防設備士は主に「消防設備保守点検業」・「ビルメンテナンス業」などの仕事で役立つことができるようです。
特に消防設備の仕事は、消防設備士の有資格者にしか行えない業務独占資格ですので、安定した仕事に従事したい方におすすめです。
ただし消防設備士乙7が対象の漏電火災警報器は設置される施設があまり多くないので、乙6、乙4、甲4などの資格の取得をめざしていけばさらにキャリアアップを測れると思われます。
3-3. 他の消防設備士取得に有利になる
まず乙7を取得していると他の消防設備士を受験する際に、以下のような一部免除を適用することができます。
【消防設備士乙7で適用される一部免除】
受験する酒類 | 免除科目(免除される問題数) | 試験時間 |
---|---|---|
甲1・2・3・4・5 | 免除なし | 免除なし |
乙1・2・3・5・6 | 法令共通部分(6問) | 1時間45分→1時間30分(15分短縮) |
乙4 | 法令共通部分(6問) +基礎的知識(5問) |
1時間45分→1時間15分(30分短縮) |
乙7を取得していることで、免除適用の範囲が最大となるのが乙4で、法令共通部6問+基礎的知識5問の合計11問が免除されます。
なお甲種の試験では乙7を取得していても免除は適用されませんが、法令共通部の内容は乙7で学習済みなので勉強時間を減らすことができ有利に学習を進められるというメリットがあります。
また一部免除を適用すると出題範囲に絞って学習を進められるメリットがありますが、試験時間も短縮され、合格基準も変わらないので私個人の考えでは必ずしも合格しやすくなるわけではないと思っています。
ただし一部免除を適用しなくても法令共通部と乙4の基礎的知識は乙7で学習した内容ですので、免除の適用・不適用どちらにしても乙7を取得しておくことが他の消防設備士を取得するのに有利となります。
特に乙7は合格率が60%前後と消防設備士の中で最も高くて取得しやすいので、消防設備士の資格を揃えていきたい方は、最初に合格しやすい乙7を取得してから他種・類を揃えていくのが効率的だと思われます。
3-4. 漏電火災警報器を取り扱う電気保安の仕事での知識になる
消防設備士乙7で対象となる漏電火災警報器は受変電設備に取り付けられます。
よって消防設備士でなくても、電気保安業など受変電設備に携わる方であれば、業務に活かせる知識を習得できることになります。
私も製造業の受変電設備に携わる業務に就いておりますので、漏電火災警報器について学べたことはメリットになると考えています。
4. 資格取得後に必要な費用
消防設備士は免状取得後に必要な費用が発生します。
それは講習の受講費用です。
消防設備士の免状取得者には、業務に従事していなくても講習の受講義務があります。
講習は免状を交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に受講する必要があり、その後は前回の講習受講日以後における最初の4月1日から2年以内に受講する必要があります。
講習の受講費用は1区分につき7,000円かかります。
まとめ
●投資金額:12,194円
●投資時間:学習時間約40時間(約1か月 ※消防設備士甲4・乙6取得済み)
【資格取得で得られる成果】
●資格手当がもらえる(500円~3000円)
●消防設備保守点検業・ビルメンテナンス業への転職・就職が有利になり、キャリアアップにつながる
●他の消防設備士の取得のための足がかりになり、一部免除も適用される
●漏電火災警報器を取り扱う電気保安業でも活かせる知識を習得できる
【資格取得後に必要な出費】
●講習の受講費用7000円(初回:免状取得後最初の4月1日から2年以内、2回目:前回の講習後最初の4月1日から5年以内)
…以上、消防設備士乙7を取得するまでに投資した金額・時間と、取得後のメリットについて書かせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。