こんにちは、リキリツです。
私事ですが、先日受験しました日商簿記検定2級に一発合格をすることができました。
今回は、実務で簿記に係わることがほとんどない私が、独学でどのように学習を進めて日商簿記検定2級に合格できたのかを合格体験記というかたちで書かせていただきます。
使用したテキスト・学習内容などを紹介させていただきますので、日商簿記検定2級の受験を検討されている方に、合格するための勉強法の一例として参考にしていただければと思います。
「日商簿記検定2級」独学での一発合格体験記
1. 受験動機と自己紹介
1-1. 受験動機
簿記2級学習開始の半年ほど前に、将来的に電気管理技術者としての独立を視野に入れて、個人事業主が知っておくべき簿記の知識を習得したいと思い日商簿記検定3級の受験し合格することができました。
簿記3級の学習で簿記に関して興味を持ったので、より深く簿記に関して学習したいと思い簿記2級の資格取得を目指すことにしました。
また簿記2級の学習範囲には、簿記3級ではなかった工業簿記についても学ぶことになるので、自分が働いている製造業でのお金の流れについてイメージを掴めるのではないかと思ったことも動機の1つです。
1-2. 受験当時の私について(自己紹介)
私は製造業で電気設備を担当している中堅~ベテランにさしかかったサラリーマンです。
電気設計・生産技術・電気設備の保安などの業種での職歴がありますが、簿記に関しての実務上の経験はありませんでしたが、半年ほど前に簿記3級の資格を取得しておりました。
日商簿記検定2級を受験前に取得済みだった資格の一覧は、下記のとおりです。(取得順)
- 初級システムアドミニストレータ
- 応用情報技術者試験
- 第三種電気主任技術者
- 第二種電気主任技術者
- エネルギー管理士試験(電気分野)
- 第二種電気工事士
- 乙種第4類危険物取扱者
- 2級ボイラー技士
- 品質管理検定3級
- 第三種冷凍機械責任者
- 消防設備士甲種第4類
- 日商簿記検定3級
- 消防設備士乙種第6類
- 消防設備士乙種第7類
2. 使用した教材
独学の教材として、以下のを4冊を購入しました。
- 「検定簿記講義/2級商業簿記〔2023年度版〕 」(中央経済社)
- 「検定簿記講義/2級工業簿記〔2023年度版〕 」(中央経済社)
- 「検定簿記ワークブック〔2級商業簿記〕 」(中央経済社)
- 「検定簿記ワークブック〔2級工業簿記〕 」(中央経済社)
「検定簿記講義」は参考書で、「検定簿記ワークブック」は問題集にあたり、「商業簿記」と「工業簿記」で各1冊ずつの合計4冊があります。
私はこれまでに14個の資格を独学で取得してきた経験があり、教材選びにはこだわりを持っています。
以下の3つのポイントが独学に最適だと感じたので、今回はこの教材を購入することに決めました。
- マンガを多用せずシンプルな図解・表で情報が整理されていて分かりやすい
- 例題→練習問題→ワークブック→総合模擬問題の順番で取り組むことで段階的にレベルアップできる。
- 解答用紙が無料でダウンロードできる。
また簿記3級での学習でも同じシリーズの教材を使用して独学で合格できた経験があったので、簿記2級でも引き続きこのシリーズを使用することにしました。
実際に書店で試し読みをしてみたところ、シンプルですが分かりやすく段階的にレベルアップできる構成が気に入ったので、この教材を選びました。
使用した教材はこれだけで、アプリや動画などは使用しませんでした。
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参考書・問題集に関して、以下リンク先の記事にて詳細を書かせていただいておりますので、よろしければご参照ください。
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3. 試験種類の選択と申し込み
日商簿記検定2級の試験は統一試験(筆記試験)とネット試験が選択できます。
私がこれまで受験してきた資格はほとんどが筆記試験のものばかりだったので、慣れた筆記試験形式の統一試験を受験することも考えたのですが、今後他の資格試験でもネット試験という形式は増えていくと考えられるので、経験のためにネット試験を選択しました。
またネット試験は毎日開催されており、希望の試験時刻を選択できるというメリットがあったことも理由のひとつです。
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ネット試験の申込方法については、以下リンク先の記事にて詳細を書かせていただいております。よろしければご参照ください。(簿記3級に関する記事ですが、簿記2級でも試験の種類の選択以外は同じ手順で申込みできます。)
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4. 学習期間と学習時間
- 学習期間:2023年11月1日~2024年2月9日(3か月+10日間)
- 学習の頻度:毎日(休みなし。最低1時間)
- 1日あたりの学習時間:平日1~3時間、休日1~8時間
- 総学習時間:約319時間
理解度が低いうちは勉強量を増やしても理解が追い付かないと思ったので、段階的に学習時間を増やしていきました。
勉強時間をまとめると以下の表のようになり、合計で約319時間学習に費やしました。
月 | 平/休 | 日数 | 平均時間 | 日数×時間 |
---|---|---|---|---|
11月 | 平日 | 21 | 1.5 | 31.5 |
11月 | 休日 | 9 | 4 | 36 |
12月 | 平日 | 20 | 2 | 40 |
12月 | 休日 | 11 | 5 | 55 |
1月 | 平日 | 19 | 2.5 | 47.5 |
1月 | 休日 | 12 | 6 | 72 |
2月 | 平日 | 7 | 3 | 21 |
2月 | 休日 | 2 | 8 | 16 |
合計時間 | 319時間 |
(学習内容詳細は以下の項目で書かせていただきます。)
5. 学習内容
5-1. 序盤の学習(参考書をひととおり読む:26日間)
まず序盤の学習として、参考書(簿記講義)を最初から最後までひととおり読みました。
最初の目的はざっくりとした内容の把握だけですので、ノートは作成せずに参考書を流し読みするだけです。
最初からノートを作成してしまうと、無駄に勉強時間が長くなるうえにノートの量が多くなりすぎて非常に見にくいノートになってしまいます。
序盤の学習は、11月1日~11月26日までの26日間をかけておこないました。
5-2. 中盤の学習(問題を3周解く:56日間)
中盤の学習では、「簿記講義」と「ワークブック」の総合模擬問題以外の問題を成績を記録しながら3周解きました。
成績の記録は後から弱点を抽出しやすくするため、エクセル表を作成し入力していきました。
なお1周目では簿記講義の例題・基本問題・応用問題とワークブックの問題を解いて学習しましたが、問題数が多すぎて最初の方に学習した内容を忘れてしまいそうだと感じたので、2周目からは簿記講義の例題を除き問題数を減らして学習をするようにしました。
また、商業簿記の「決算」と「連結会計」は仕訳をマスターしていないとほとんど解答できないと感じたので、1周目と2周目では問題と解答を見るだけにして、仕訳に関する理解度がある程度上がった3周目から本格的に挑戦するようにしました。
中盤の学習でもまだノートは作成しません。
学習の成績は、1周目では正解率約25%でしたが、2周目では正解率約45%、3周目で約60%と徐々に実力がついてきていると感じました。
ただし簿記2級の合格基準は70点なので、3周しても合格基準にはまだ達していませんでした。
中盤の学習は、11月27日~1月21日までの56日間をかけました。
5-3. 終盤の学習(総合模擬問題・解答弱点の強化学習:19日間)
終盤のラストスパートでは、「簿記講義」と「ワークブック」に掲載されている全5回分の総合模擬問題を時間を測定しながら3周解いてみました。
最初に模擬問題を解いてみると見直しをしなくても90分では足らず、ゆっくり解いていると試験時間の90分では間に合わないと感じました。
それではと思いスピードを意識して解いてみると今度はイージーミスが増え、正解率が下がりました。
簿記2級の試験は正確性とスピードの両方が求められるので、スポーツと同じように反復練習が重要になってきます。
(個人的な感想ですが、野球の守備練習のような反復練習に近いものをかんじました。)
総合模擬問題を5回分×3周を解き、3周目で正解率80%を超え、解答時間も80分を切れるようになっていました。
また中盤の学習までに間違った問題を抽出して、3周目・4周目を解き、弱点の強化学習を行いました。
最後まで間違った問題については、間違ったポイントをノートにまとめ、最終週は毎日見て忘れないようにしていました。
5-4. 学習内容まとめ
序盤から終盤までの学習内容と学習時間を一覧表にまとめました。
学習段階 | 日付 | 日数 | 勉強時間 | 学習内容 |
---|---|---|---|---|
序盤 | 11/1~11/26 | 26日間 | 63時間 | 参考書を一通り読む |
中盤 | 11/27~1/21 | 56日間 | 187時間 | 問題を3周解く |
終盤 | 1/22~2/9 | 19日間 | 69時間 | 総合模擬問題・弱点の強化学習・まとめノート作成 |
合計 | 11/1~2/9 | 101日間 | 319時間 | - |
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簿覚えることが多い簿記2級の学習を進めていく上で効率を上げるために行った工夫について、以下の記事にて詳細を書かせていただいております。よろしければご参照ください。
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6. ネット試験の受験
2024年2月10日(土)の午前10時30分からのネット試験を受験してきました。
試験日当日に指定の時間に受付けを済ませ、試験を開始しました。
簿記2級の試験は正確さとスピードの両方が求められます。
分からない問題に時間をかけている余裕はないので、分かる問題から順に解いていきました。
練習の段階で商業簿記仕訳→工業簿記仕訳→工業簿記その他→商業簿記その他の順に解くのが効率的だと考えていたので、本番でも問1→問4→問5→問3→問2の順番で解いていきました。
スピード学習をしていたおかげで約80分で問題を解くことができ、残った10分を見直しにあてることができました。
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簿記2級のネット試験の注意点などについて、以下のリンク先記事で詳細を書かせていただいております。よろしければご参照ください。
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7. 試験結果
ネット試験では、試験終了後数秒~十数秒で試験結果が表示されます。
(試験結果がすぐわかるところもネット試験のメリットです。)
得点は、86点で一発合格することができました。
終盤の学習の総合模擬問題でも同じくらいの点数をとれていたので、本番で力を出し切ることができてホッとしました。
(試験結果)
8. 感想
学習で使用した中央経済社さんのテキストは、非常に分かりやすく簿記知識がほとんどない私でも3か月弱の学習で合格できるレベルに達することができました。
簿記2級は簿記3級に比べて覚えることが多く、勉強してもどんどん忘れてしまう感覚ががあり、序盤から中盤にかけてはかなり苦しみました。
学習の内容を工夫したり1日当たりの勉強時間を段階的に増やしていき、終盤で理解度がグンとあがった感覚があり、なんとか合格することができました。
今回はツイッターで学習進捗や内容をツイートしながらの学習でしたが、簿記2級を学習中の方や合格者の方のツイートでモチベーションを上げることができました。
今回の経験を本ブログやツイッターで発信することで、簿記2級の合格を目指す方に有効な情報になればと思います。
…以上、「日商簿記検定2級」の独学での一発合格体験記を書かせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。