こんにちは、リキリツです。
この度、私が業務で携わっている受電設備との関わりが強い「漏電火災警報器」について学習したいと思い、「消防設備士乙種第7類」を受験することにしました。
資格取得の第一歩として「消防設備士乙種第7類」について色々調べてみたのですが、消防設備士は免状の種類が多く情報がゴチャゴチャしているので、「乙種第7類」についての情報を抜粋してまとめたものを記事にさせていただきます。
初めて消防設備士乙種第7類を受験される方や、消防設備士という資格にご興味をお持ちの方に参考にしていただければと思います。
1. 「消防設備士乙種第7類」の資格概要
消防設備士とは、劇場、デパート、ホテルなどの特定の設備に法律により設置を義務付けられている各種消防設備の工事、整備などを行うための資格です。
消防設備士免状には、「工事、整備、点検」を行うことのできる「甲種」と「整備、点検」のみを行える「乙種」があります。
また対象の消防設備は特類、第1類~第7類の分類があり、それぞれに応じた免状が必要となります。
消防設備士各種免状の種類の概要を以下の表にまとめます。
(甲種には第6類、第7類の免状はありません。また、乙種には特類の免状はありません。)
消防設備士
類\種 | 甲種 (工事・整備・点検) |
乙種 (整備・点検のみ) |
消防設備の種類 ※詳細は省略しています。 |
---|---|---|---|
特類 | ○ | なし | 特殊消防用設備など |
第1類 | ○ | ○ | 屋内・屋外消火栓設備、スプリンクラー設備など |
第2類 | ○ | ○ | 泡消火設備など |
第3類 | ○ | ○ | 不活性ガス消火設備など |
第4類 | ○ | ○ | 自動火災報知設備など |
第5類 | ○ | ○ | 金属製避難はしごなど |
第6類 | なし | ○ | 消火器 |
第7類 | なし | ○ | 漏電火災警報器 |
「消防設備士乙種第7類」は、漏電火災警報器の、整備・点検を行うことができる資格です。
「漏電火災警報器」とは、電気配線から流れる漏えい電流を検知し警報を発報することで漏電による火災の発生を防止するための機器です。
「消防設備士乙種第7類」は消防設備士乙種の中では3番目の多い受験者数となっています。(下表をご参照ください)
消防設備士乙種受験者数 [人]
年 | 第1類 | 第2類 | 第3類 | 第4類 | 第5類 | 第6類 | 第7類 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
R4 | 2,747 | 827 | 1,335 | 11,147 | 1,378 | 32,151 | 6,766 |
R3 | 2,844 | 858 | 1,604 | 11,834 | 1,402 | 32,888 | 7,245 |
R2 | 2,457 | 623 | 824 | 10,869 | 1,064 | 26,361 | 5,743 |
免状を取得するためには、一般財団法人消防試験研究センターが実施している試験に合格し、免状を申請する必要があります。
免状を取得したものは、定められた期間内ごとに都道府県知事が行う講習を受けなければなりません。(講習の受講義務)
(関連リンク)一般財団法人消防試験研究センターのホームページで試験詳細の確認が可能です。
↓ ↓ ↓
トップ|一般財団法人消防試験研究センター (shoubo-shiken.or.jp)
2. 受験資格
消防設備士の乙種第7類には受験資格は不要ですので、誰でも受験できます。
(※参考:甲種の受験には受験資格は必要です)
3. 試験場所と試験日
「消防設備士乙種第7類」の試験場所は47都道府県全てで実施されています。
試験日は開催される場所ごとに異なります。
受験申請は、一般財団法人消防試験センターの各都道府県支部になります。
なお各都道府県ごとの試験場所・試験日・受付期間は以下の試験センターのリンクより「消防設備士」→「試験日程」から受験資格詳細の確認が可能です。
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トップ|一般財団法人消防試験研究センター (shoubo-shiken.or.jp)
なお、お住まいの地域以外の都道府県でも試験を受験することができます。
毎月1回以上どこかで試験が開催されているので、受験場所にこだわりがなければ試験勉強の開始時期に融通がきき、不合格してもすぐに再受験が可能です。
ただし試験に合格した場合の免状の申請は、試験に合格した都道府県での手続きが必要となります。
4. 申込費用と申込み方法
消防設備士乙種第7類の申込費用は3,800円です。
消防設備士甲種4類の申込み方法には「電子申請(インターネットによる申請)」と「書面による申請」の2通りがあります。
「電子申請(インターネットによる申請)」は一般財団法人消防試験研究センターのホームページから「インターネットによる受験申請」に進むことで申込みができます。
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トップ|一般財団法人消防試験研究センター (shoubo-shiken.or.jp)
「書面による申請」は、「受験願書」を最寄りの消防試験研究センターや消防署に直接もらいに行くか、問合せして郵便で送ってもらう必要があります。
この後の5項で説明する一部免除を希望し「証明書類(免状のコピーなど)」の添付が必要な場合は「書面による申請」を行う必要があります。
5. 試験科目・問題数・合格基準・一部免除
5-1. 免除なしの場合
「消防設備士乙種第7類」を免除なしで受験する場合の、受験科目・問題数・合格基準は下表のとおりです。
試験種類 | 方式 | 科目 | 分類 | 問題数 | 合格基準 | 試験時間 |
---|---|---|---|---|---|---|
筆記試験 | マークシート四肢択一式 | 消防関係法令 | 共通 | 6問 | 各科目40%以上 + 筆記全体で60%以上 |
1時間45分 |
7類 | 4問 | |||||
基礎的知識(電気) | - | 5問 | ||||
構造・機能及び工事・整備 | 電気 | 9問 | ||||
規格 | 6問 | |||||
実技試験 | 写真・イラスト・等による記述式 | 識別など | - | 5問 | 60%以上 | |
- | - | 合計 | - | 35問 | - | - |
「筆記試験」と「実技試験」のどちらも合格することで、試験の合格になります。
(参考)以下の試験センターのリンクより「消防設備士」→「過去に出題された問題」から、昨年度の試験問題のpdfデータをダウンロードすることが可能です。
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5-2. 試験科目の一部免除
消防設備士乙種第7類の試験は、他の種・類の消防設備士免状や電気工事士・電気主任技術者などの資格を取得していると、試験問題の一部免除が適用されます。
免除が適用される主な資格と免除内容・試験時間を以下の表にまとめます。
取得済み資格 | 免除の内容 | 問題数 | 試験時間 |
---|---|---|---|
消防設備士甲種(第1,2,3,5類)又は乙種(第1,2,3,5,6類) | 筆記試験:「消防関係法令」の「共通部分」(6問) | 29問 | 1時間27分 |
消防設備士甲種第4類又は乙種第4類 | 筆記試験:「消防関係法令」の「共通部分」(6問)、「基礎的知識」(5問) | 24問 | 1時間12分 |
電気工事士(第1種、第2種) | 筆記試験:「基礎的知識」 (5問)、「構造・機能及び工事・整備」の「電気に関する部分」(9問) 実技試験:「鑑別など」(5問) |
16問 | 48分 |
電気主任技術者(第1~3種) | 筆記試験:「基礎的知識 」(5問)及び「構造・機能及び工事・整備」の「電気に関する部分」(9問) | 21問 | 1時間3分 |
技術士(電気・電子部門) | 筆記試験:「基礎的知識 」(5問)及び「構造・機能及び工事・整備」の「電気に関する部分」(9問) | 21問 | 1時間3分 |
※問題数が最少となる組合せ (電気工事士+消防設備士) |
筆記試験:消防関係法令の共通部分(6問)、「基礎的知識 」(5問)、「構造・機能及び工事・整備」の「電気に関する部分」(9問) 実技試験:「鑑別など」(5問) |
10問 | 30分 |
※問題数が最少となる条件の組合せ「電気工事士+消防設備士」についても、表の一番下に記載しました。25問が免除され、10問だけの試験になります。
免除を適用した場合、試験問題が少なくなり一見有利なように感じますが、注意が必要なことが2つあります。
- 試験問題数に応じて、試験時間が短縮される。
- 合格基準は免除なしの場合と同じ
試験時間は、免除された試験問題数の分だけ短縮されます。
例えば、消防設備士甲種(第1,2,3,5類)又は乙種(第1,2,3,5,6類)での一部免除が適用された場合は、問題数が免除なしの35問→免除適用で24問と6問が免除となり、試験時間は免除なしの1時間45分→免除適用で1時間27分 と18分の短縮となります。
また合格基準は免除を適用しても免除なしの場合と同じく「各科目40%以上+合計60%以上」と変わりませんので、間違えられる問題数も減ってしまうことになります。
消防関係法令科目を見てみると、
免除なし:10問(合格基準40%以上=4問正解。6問間違えても良い)
↓
免除あり:4問(合格基準40%以上=1.6問(切上げ)→2問正解。2問しか間違えられない)
となり、合格するための条件が厳しくなってしまいます。
免除対象の資格を保有していても、免除の申請をしなければ免除なしで試験を受験することが可能ですので、どちらで受験するか検討する必要があります。
6. 合格率
「消防設備士乙種第7類」のH25年~R4年度までの過去10年の合格率は以下の表のとおりです。この10年間の合格率の範囲は57.0~61.3%で、平均58.7%になります。
合格率は低いときでも50%以上はあるので、あまり難易度の高くない資格です。
年度 |
申請者 [人] |
受験者 [人] |
合格者 [人] |
合格率 [%] |
---|---|---|---|---|
R4 | 3,277 | 2,804 | 1,649 | 58.8 |
R3 | 3,306 | 2,825 | 1,637 | 57.9 |
R2 | 5,743 | 4,926 | 2,809 | 57.0 |
R1 | 6,018 | 5,135 | 2,949 | 57.4 |
H30 | 6,256 | 5,383 | 3,162 | 58.7 |
H29 | 6,871 | 5,891 | 3,483 | 59.1 |
H28 | 6,728 | 5,732 | 3,360 | 58.6 |
H27 | 6,839 | 5,878 | 3,377 | 57.5 |
H26 | 6,772 | 5,844 | 3,489 | 59.7 |
H25 | 6,931 | 5,937 | 3,641 | 61.3 |
過去10年統計 | 58,741 | 50,355 | 29,556 | 58.7% |
…以上、消防設備士乙種第7類を受験する前に下調べしたことについて、書かせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。