こんにちは、リキリツです。
私事ですが、消防設備士乙種第6類の受験に向けての独学学習も最終段階に入ってきました。
消防設備士乙種第6類の学習では、法令分野や消火器の種類ごとの特性など暗記しなければいけないことがたくさんあります。
今回は消防設備士乙種第6類のま暗記学習用のまとめ資料を記事として書かせていただきます。
消防設備士乙種第6類を勉強中の方や、この資格に興味のお持ちの方に参考にしていただければと思います。
1. 防火対象物の規定に関する規定
1-1. 防火対象物と規定が適応される条件一覧表
まず、最初に「施工令別表第1」で挙げられる防火対象物について法令の共通部及び第6類の消火器の設置などに関する規定が適応される条件について、一覧表にまとめてみました。
No | 付 | 名称 |
特 ※1 |
届出・検査[m2] ※2 |
消火器具の設置 [m2] ※3 |
能力単位の算定基準面積 [m2]※4 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | イ | 劇場、映画館、演芸場 | ○ | 300 | ○ | 50 |
ロ | 公会堂、集会場 | 150 | 100 | |||
2 | イ | キャバレー、ナイトクラブ | ○ | 300 | ○ | 50 |
ロ | 遊技場、ダンスホール | ○ | ||||
ハ | 風俗店 | ○ | ||||
ニ | カラオケボックス、ネットカフェ | ○ | ○ | |||
3 | イ | 待合、料理店 | ○ | 300 | ○火/150 | 100 |
ロ | 飲食店 | ○ | ||||
4 | - | 百貨店、マーケット | ○ | 300 | 150 | 100 |
5 | イ | 旅館、ホテル、宿泊所 | ○ | ○ | 150 | 100 |
ロ | 寄宿舎、下宿、共同住宅 | - | 300指 | |||
6 | イ | 病院、診療所、助産所(入院施設有/無) | ○ | ○/300 | ①②③○ ④150 |
100 |
ロ | 老人短期入所施設、養護老人ホーム | ○ | ○ | ○ | ||
ハ | 老人デイサービスセンター、保育所(入院施設有/無) | ○ | ○一部・300 | 150 | ||
ニ | 幼稚園、特別支援学校入院施設有/無) | ○ | 300 | |||
7 | - | 小学校、中学校、高校 | - | 300指 | 300 | 200 |
8 | - | 図書館、美術館 | - | 300指 | 300 | 200 |
9 | イ | 蒸気浴場、熱気浴場 | ○ | 300 | 150 | 100 |
ロ | イ以外の公衆浴場 | - | 300指 | |||
10 | 車両の停車場、航空機の発着場 | - | 300指 | 300 | 200 | |
11 | 神社、寺院、教会 | - | 300指 | 300 | 200 | |
12 | イ | 工場、作業場、冷凍倉庫 | - | 300指 | 150 | 100 |
ロ | 映画スタジオ、テレビスタジオ | - | ||||
13 | イ | 自動車車庫、駐車場 | - | 300指 | 150 | 100 |
ロ | 飛行機の格納庫 | - | 300指 | |||
14 | - | 倉庫 | - | 300指 | 150 | 100 |
15 | - | 事務所、官公庁 | - | 300指 | 300 | 200 |
16 | イ | 複合用防火対象物(特定用途有り) | ○ | ○一部・300 | - | - |
ロ | 複合用防火対象物(特定用途無し) | - | 300指 | - | - | |
2 | 地下街 | ○ | ○一部・300 | ○ | 50 | |
3 | 準地下街 | ○ | ○一部・300 | ○ | 50 | |
17 | - | 重要文化財 | - | 300指 | ○ | 50 |
18 | - | アーケード(50m以上) | - | 300指 | - | - |
19 | - | 山林(市町村長指定) | - | - | - | - |
20 | - | 舟車(総務省令) | - | - | ○ | - |
※1. ○:特定防火対象物
※2. 消防設備などを設置した時に届出・検査が必要となる条件を表しています。
○:延べ面積に関係なく必要
###:延べ面積###m2以上
###指:延べ面積###m2以上かつ消防長又は消防署長の指定
各用途:各用途部分の設置基準に従う。
※3.消火器具を設置すべき条件を表しています。
○:延べ面積に関係なく必要
###:延べ面積###m2以上で必要
○火/150:火を使用する設備がある場合は必須、火を使用する設備がない場合は150m2以上で必要
※4.能力単位の算定基準面積を表しています。
能力単位=延べ面積÷算定基準面積 で算出します。
1-2. 特定防火対象物とそれ以外の比較
次に特定防火対象物とそれ以外防火対象物で分けて考えることのできる、各規定が適用される条件を以下の表にまとめます。
一部例外があるものに関しては、表内の[注]で記載しております。
種類 | 特定防火対象物 | その他 |
---|---|---|
消防設備士による定期点検 ※1 | 1000m2以上 |
1000m2以上+指定 [注]((20)舟車のみ不要 |
定期点検周期 | 1年 | 3年 |
防火管理者(統括防火管理者)※2 | 収容人員30人(3階以上) [注](6-ロ)老人短期入所施設のみ、10人(3階以上) |
収容人員50人(16-ロ.複合用防火対象物(特定用途無し)のみ5階以上) [注](16-3)準地下街、(18)アーケード、(19)山林、(20)舟車は不要 |
※1. 消防設備士又は消防設備資格点検資格者が定期点検をさせなければならない条件です。
1000m2以上:延べ面積1000m2以上
指定:消防長又は消防署長が指定するもの
※2. 防火管理者を定めなければいけない条件を示しています。( )内の条件も満たすものは統括防火管理者を定める必要もあります。
収容人員##人:収容人員##人以上
#階以上:地階を除く回数が#階以上
2. 消火器7種類の特性・規定一覧表
消防設備士乙種第6類では大きく分類して7種類の消火器について、特性や規定などを暗記する必要があります。
消火器の特性・規格については出題頻度が高いうえに、複雑で覚えにくい項目が多いため、第6類での最重要項目だと思われます。
参考書を読むと全ての情報を学ぶことができますが、ひとまとめにした方が暗記しやすいので一覧表にまとめてみました。
消火器 | 水消火器 | 強化液消火器 | 化学泡消火器 | 機械泡消火器 | 二酸化炭素消火器 | ハロゲン化物消火器 | 粉末消火器 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
消火作用 | 冷却 | 冷却 抑制 |
冷却 窒息 |
冷却 窒息 |
冷却 窒息 |
冷却 抑制 |
窒息 抑制 |
加圧 方式 (指示圧力計)※1 |
蓄圧+指示圧力計 | 蓄圧+指示圧力計/ガス加圧(100cm3以上安全弁) (大型) |
加圧(安全弁) (反応式)※指示圧力計不要 |
蓄圧+指示圧力計/加圧(100cm3以上安全弁) | 蓄圧※安全弁必要、指示圧力計不要 | 蓄圧※安全弁必要、指示圧力計不要(2401除く) | 蓄圧(窒素)+指示圧力計/加圧(小型:CO2、大型N2、100cm3以上安全弁) |
適応火災 ※2 |
棒状:A 霧状:AC |
棒状:A 霧状:ABC |
AB | AB | BC | BC (△A) |
りん酸塩 :ABC 炭酸水素塩 :BC |
圧縮検出部 材質※3 |
SUS | SUS | - | SUS | - | - | SUS,Bs, BeCu,PB |
使用 温度 範囲[℃](省令)※4 |
0~40 (同) |
-20~40 (0~40) |
5~40 (同) 寒冷地不可 |
-20~40 (0~40) |
-30~40 (0~40) |
-30~40 (0~40) |
(蓄圧)-30~40 (0~40)/(加圧)-20~40 (0~40) |
内部・機能 ※5 |
製造年~5年 | (加圧)製造年~3年 (蓄圧)製造年~5年 |
設置後 1年 |
(加圧)製造年~3年 (蓄圧)製造年~5年 |
除外 | 除外 | (加圧)製造年~3年 (蓄圧)製造年~5年 |
点検数 (放射能力 /その他)※6 |
(蓄圧)抜取数の50%以上/抜取り数 | (加圧)全数の10%/全数 (蓄圧)抜取数の50%以上/抜取り数 |
全数の10%/全数 | (加圧)全数の10%/全数 (蓄圧)抜取数の50%以上/抜取り数 |
- | - | 抜取数の50%以上/抜取り数 |
大型 ※7 |
80ℓ 以上 |
60ℓ 以上 |
80ℓ 以上 |
20ℓ 以上 |
50kg 以上 |
30kg 以上 |
20kg 以上 |
放射 性能※8 |
90% 以上 |
90% 以上 |
85% 以上 |
90% 以上 |
90% 以上 |
90% 以上 |
90% 以上 |
自動車用※9 | × | 〇(霧状のみ) 8L以上×2本 |
× | 〇 | 〇 3.2kg以上×2本 |
〇 | 〇 3.5kg以上×2本 |
見た目※10 | ノズル小さい 強化液消火器とほぼ同じ] |
ノズル小さい 水消火器とほぼ同じ |
キャップ(大型は丸ハンドル) | ノズル先細(外部空気吸入口付) | ホーン付きノズル(長い) | ホーン付きノズル(やや短い) | ノズル先端は少し広がりor凸型 |
薬剤の廃棄処理 | - | 多量の水で希釈 | A剤とB剤を分けて処理 | 多量の水で希釈 | 危害の生じる恐れのない場所で少量ずつ排出 | 危害の生じる恐れのない場所で少量ずつ排出 | 飛散しないよう袋に入れてブリキ缶に入れる |
高圧ガス保安法 ※容器弁+安全弁取付※11 |
- | 適用:100cm3以上の加圧用ガス容器 | 適用:100cm3以上の加圧用ガス容器 | 適用:100cm3以上の加圧用ガス容器 | 適用 | 1301/1211適用 | 適用:100cm3以上の加圧用ガス容器 |
特記事項 | ・浸潤剤入り。 ・手動ポンプ式…安全栓不要、ろ過網要、液面表示要 |
・強アルカリ水溶液(K2CO3+水)or中性水溶液(主流) ・ガラス瓶式…ろ過網要 |
・A剤(外筒):炭酸水素ナトリウム ・B剤(内筒):硫酸アルミニウム ・1年毎に新品に交換 ・転倒式/破がい転倒式/開がい転倒式(転倒式は安全栓不要) ・手提げ式も2動作 ・転倒式には安全栓不要 ・ろ過網要、液面表示要 |
・水成膜(高安定性)/界面活性剤(表面張力極小) | ・地下、窓無などで使用不可 ・表面積の1/2以上緑色、1/4以上赤色 ・2種・3種のCO2 ・容器弁、安全弁、安全栓取付 ・充填に窒素ガスボンベを使用しない ・検定対象器具非対象 ・内容積:1.5ℓ/kg以上(充てん比) |
・ハロン1301は毒性少。地下可(ハロゲン2402は地下不可) ・水分厳禁 |
粉末(ABC淡紅色/Na白色/K紫色/KU灰色) ・180μm以下の粉末 ・1時間以内に沈降しない ・加圧式には粉上り防止用封板 ・加圧式:開閉バルブ式(排圧栓付)/開放式(停止不可) ・水分厳禁 ・1kg以下はホース省略可 |
※1.各消火器の加圧方式です。蓄圧:蓄圧式、加圧:加圧式を表しています。指示圧力計、安全弁などの必要・不要についても記載しています。
※2.各消火器が適応する火災の種類です。(A:普通火災、B:油火災、C:電気火災)
※3.使用される圧力検出部の材質です。(SUS:ステンレス鋼、Bs:黄銅、BeCu:ベリリウム銅、PB:りん青銅)
※4. ( )外:市販品における使用温度範囲、( )内:規格省令上適応される温度範囲。(同):市販品における使用温度範囲と規格省令上の数値と同じ。
※5. 設置又は製造年から何年経過したものが、消火器の内部及び機能点検対象となるかの条件です。
※6. (放射能力以外の点検対象数)/(放射能力の点検対象数)で記載しています。
※7. 大型消火器と分類される充てんされた消火剤の量
※8. 充てんされた消火剤の何%以上が放射できないといけないかの規定
※9. 自動車用消火器として設けられるものには○と記載しています。充てん量に条件のあるものはその数値と本数も記載しています。
※10. 見た目の特徴です。
※11. 高圧ガス保安法が適応される条件です。高圧ガス保安法が適応される消火器には「容器弁」+「安全弁」が取付になります。
(関連リンク)
消防設備士乙種第6類のおすすめ参考書についての記事リンクです。
よろしければご参照ください。
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…以上、消防設備士乙種第6類の防火対象物・消火器について暗記学習するためのまとめ資料に関する記事を書かせていただきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。